バフェットといえば、ここ日本でも多くのファンを持つ世界最強の投資家で、もはや説明など必要がないくらい有名な存在だ。
そんなバフェットだが、過去に日本株に投資することを考えたことがあるらしいが、様々な資料を見まくった結果、「日本株に投資すべき候補はない」という結論に至ったそうだ。
バフェットは米国株のイメージが強いが、優良企業であれば国籍を問わず投資をしており、過去にはペトロチャイナなどの中国企業にも投資をしていた。
現在のバフェットの投資先は、1位がアップルで、2位がバンク・オブ・アメリカ、3位がコカ・コーラと、ザ・米国企業みたいな企業ばかりに投資を行っているが、その中に日本企業はいまだに入ってはいない。
確か、バフェットが日本株について調べていたのは、経済的に日本が絶頂を迎えている頃だったと思うのだが、その頃の勢いがあった日本企業ですら投資候補にならなかったのだ。
一体なぜバフェットの投資先として日本株が選ばれないかというと、バフェットがリサーチしていた頃の日本企業は今以上に株主を軽視する傾向が高く、おまけにその頃の日本株市場は博打市場の要素が強く、「値付けが滅茶苦茶」だったからだそうだ。
確かに、バブルのころは株価に根拠などなく、「買っておけば上がるから」という理由で皆が株を買いまくるという驚異的な状態だったらしいからね。
日本企業は株主を軽視することで有名名だが、最近はコーポレートガバナンスが叫ばれている影響で、徐々に株主還元の姿勢が以前よりも改善してきている。
アベノミクスの影響もあるだろうが、増配や自社株買いなどが頻繁に行われており、PBRもPERも割安なのだが、それでもやはりバフェットは日本株に投資はしていない。
ソニーにも、トヨタにも、NTTにも、バフェットは投資をしないのだ。
バフェットはコカ・コーラのように深い堀のような圧倒的なブランド力を持った、いわゆる「ワイド・モート」を持った企業に投資することを好むが、日本企業にはそんな企業がないということなのだろうか。
それは恐らく、日本企業の「時」が止まってしまっているせいではないだろうか?
古い慣習などにとらわれ、今や日本企業は黄金時代の栄光にすがっているだけの過去の遺物のようになってしまっている。
PC、家電、自動車...。
以前は世界で猛威を振るっていた日本製品もすでに光を失ってしまっていることは、シャープや東芝などの凋落を見れば明らかだ。
おまけに、勢いのある経営者が出てきて少しでも既得権益を破壊しようとするものなら、国家総出でボコボコにしてしまうお国柄なので、イノベーションも起こらない。
そのため、バフェットが好むようなワイド・モートを持ったグローバル企業は今後も日本からは現れないのではないだろうか。
候補になるのは、なんとなく、ファースト・リテイリングくらいだろうか?
バフェットのポートフォリオの時価総額第1位は日本でもおなじみのアップルだが、実はバフェットは金融株が大好きだ。
有名なところでは、バフェットはリーマンショック後にウェルズ・ファーゴという地銀の巨大版みたいな金融機関の株をしこたま買いこみ、大成功を収めている。
その他にも、アメリカン・エキスプレス、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン、バンク・オブ・アメリカ、JPモルガン・チェースなどなど、過去より金融株に多く投資をしてきた。
その理由は、恐らくだがバフェットはアメリカ経済は成長し続けると信じており、事実これまでその通りなので、その成長に従って利益率の高い金融事業も発展していく、という確信があったからではないだろうか。
日本の金融機関の株価を見ていると信じられないかもしれないが、新興国など経済が伸びている国の銀行株などは株価が長期で上昇していることも多いからね。
逆に、日本の場合は国内人口は有史市場初めて減少に転じているし、経済成長もほとんど望めない環境なので、メガバンクなど海外に活路を見出している企業ならまだしも、地銀なんかは本当に厳しい。
なので、バフェットの投資先を真似してポートフォリオを組むのは、日本株だけだとかなり厳しそうだな...と思う。
たまに、「バフェットが日本株に投資するなら?」といった特集が様々な媒体で組まれていることがあるが、そういった際に取り上げられている企業を見ても、「いや、投資しねーだろ笑」と、自分程度の者でも突っ込みたくなるくらいだからね笑。
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