ちょっと想像してみて欲しいのだが、もしも1億円で買った金融商品が0円になったら、皆さんはどんな顔になるだろうか?
おいらの場合は、恐らく獣人化して上の写真の獣のような顔に変形してしまうだろう。
そもそも1億円を手元に持っている人自体がかなり少なく、もちろんおいらもそんな大金は持っていないので、実際に1億円を失うことはない。
このブログの読者のみなさんの場合も、恐らくはかなりの割合の方が1億円もの大金は持っていない場合がほとんどだろう。
しかし、実際に1億円持っていることを想像して欲しいのだが、はっきり言って1億円が手元にあったらある意味もう人生上がりの状態だと言っていい。
例えば、配当利回り5%の高配当株を1億円分買えば、税引き後でも年間400万円近いお金が手元に残るので、月に30万円以上使っても、余裕で遊んで暮らせる計算になる。
また、年間300万円づつ取り崩しても使うのに33年かかるので、もはや持っているだけで金の心配はいらなくなるほどのお金だと言っていいだろう。
それほどの大金が今、ある金融商品によってその価値が0円になろうとしている。
え、聞き間違いじゃないかって?
違う。株価が暴落するとかのレベルではなく、本当に1億円が0円というプライスレスを超えたプライスレス、つまり無になろうとしているんだ。
1億円を0円にする異次元の金融商品、それが、仮想通貨ビットコインのコールオプションだ。
ブルームバーグによると、昨年ビットコインが史上最高値を記録していた頃に購入された約1億円超のコールオプションが12月末に期日を迎えるという。
コールオプションとは、ある特定の期日(権利日)に設定価格で株等の金融商品を買う権利のことだ。
例えば、12月31が期日のコールオプションで180ドルでアップル株を買う権利であれば、12月31日にアップル株を180ドルで買うことが出来る。
ただし、この場合、現在の価格が168ドルなので、12月31日に180ドルでアップルを買うと損する可能性がある。当日の株価が170ドルまで上昇していたとしても、市場価格より10ドルも高い価格でわざわざアップル株を買う人間は中々いないだろう。
コールオプションは権利を絶対に行使しないといけないという制約はないので、こうなったケースだと権利を行使しない人がほとんどだろう。
この場合、コールオプションを買うために支払ったプレミアムが無駄になってしまう。
逆に、当日の株価が200ドルまで上昇していれば、支払ったプレミアムが10ドルだとしても、20ドルの利益が出ることになる。
その場合は、権利を行使する人がほとんどだろう。
これが、コールオプションの簡単な仕組みだ。
つまり投資家は、権利行使日当日に、設定された購入価格よりも資産価格が上昇していることを期待してコールオプションを買うのだ。
今回のビットコインのコールオプションの場合は、12月末に5万ドルでビットコインを買う権利が設定されていた。
つまり、ビットコインの価格が5万ドルを突破しない限りは、権利を行使することはないわけだ。
この権利が購入されたときのビットコイン価格は1万6千ドル程度だったわけだが、購入者としてはもっと価格が上昇すると踏んでいたわけだ。
もちろん、これだけの価格のオプションなので、購入者は個人ではなく投資ファンドだ。
ちなみに今現在のビットコイン価格は暴落に暴落を重ねて、3400ドル程度まで下落してしまっている。
今の状況だけ考えると、このオプションを購入した投資ファンドは狂っているとしか言いようがないが、2017年の仮想通貨が凄まじい上昇をみせていたときであれば、「もしかしたらこの勢いで5万ドルいくかも...」と考える人もきっと結構な人数いただろう。
おいらの周りにも仮想通貨にハマっていた人がいて、その人は休憩時間になると四六時中仮想通貨のチャートや価格を見ていたんだが、やはりこう言っていた。
「仮想通貨はすごいですよ、これで確実に億はいきますよ」
「そうか?株の方がいいんじゃねえか。なんだか危なそうだし」
おいらがそう反論しても、
「株なんか全然ダメですよ!!これからは仮想通貨の時代ですから」
そう力強く言っていた。
しかし、最近では全く仮想通貨の話をしなくなってしまったし、お昼休みにスマホで仮想通貨のチャートをチェックするようなこともやっていないようだ。
それにしても、仮想通貨ブームの末路は本当にエゲつない。
2017年頃はネットでも頻繁に仮想通貨へ投資せよ、というような記事や宣伝が乱発され、大学生なんかの若者も結構仮想通貨を買っていたらしい。
そして、最近の暴落によって凄まじいダメージを負っている方もいると聞く。中には巨額の損失を負ってしまった結果、自らの命を断つ方までいたそうだ。
投資は自己責任とはよく言うが、一定のリスクを超えるような金融商品を個人が売買することについては、金融庁がなんらかの制限を設ける必要があるのではないだろうか。
それか、義務教育の段階で金融に関する事業を行い、国民のファイナンシャルリテラシーの基礎を向上させるかしないと、どうしようもない気がする。
逆に、なんで義務教育でそれをやらないのか疑問なんだが...。
仮想通貨そのものが無価値だとは思わないが、その価値を支えているのは人々の得体の知れない期待値だけで、実態はほとんど無いに等しいものだということくらいFXで爆損をこいたおいらですら分かる。
だから、買うにしても総資産の数パーセント程度にとどめるくらいのものだと思うのだが、「儲かる」という甘い誘い文句に人は弱いので、結果として一切金融の知識が無い人が仮想通貨を爆買いするという悲劇が起こってしまったのだ。
最初から投機だと割り切っている人はいいにしても、本気で仮想通貨で金持ちになれると信じて投資した方たちは悲惨すぎる。
「投資は自己責任」の概念は完全に正しいのだが、こういう投資の投機的な一面がクローズアップされるせいで、株式投資も世間一般からすると残念ながら投機に近いイメージが拭えないんだろうね。
ちなみに、ビットコインが全く無価値になるかというと、そうはならないのではないかというのがおいらの個人の考えだ。
今のところビットコインに連動したETFの認可が米国で下りないようだが、そのうち別の国の証券取引所で仮想通貨連動型のETFが上場される可能性もゼロではないだろうからね。
それに、仮想通貨は2017年の爆発的なブームを経て、一定の市場が完全に出来上がってしまっている。
なので、株式や債券、石油にゴールドなどの資産がどれも見限られたときに、投資資金の逃げどころとして資金が流れ込む可能性はあると思う。
仮想通貨に何らかの裏付け(例えば金や銀なんかと交換出来る等)が出てくれば、その価値は安定すると思うのだが、まあ、そういう裏付けが無いから仮想の通貨なんだろう。
価格が安定しないと、実生活で使用出来る通貨としての流通はかなり厳しいから、やはり仮想通貨は今後も投資や投機の対象である可能性が高いんだろうね。
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