こんばんわ!
本日、武田薬品工業がアイルランドの製薬大手シャイアーを買収に合意したという報道が大きく報道されていました。
2016年にソフトバンクがイギリスのARMを買収してかなりニュースになっていましたが、それを超える大型買収ということで世界でも注目されています。
今回の買収は約7兆円という国家予算並みの額で実施されます。武田薬品の年間売上高の約4倍ものお金をつぎ込んで買収を行うわけです。
そもそもシャイアーは武田薬品より時価総額がでかい企業なので、自分より価値としては巨大な企業を買収するということになります。
もちろん、買収に使うお金はメガバンクなどから借りるわけですから、銀行としてはホクホク顔でしょう。
😊
ところで、買収が決まってから武田薬品の株価は下げ続けています。投資家がそんなに金を突っ込んで大丈夫なのか?債務超過に陥ってしまうのでは?とビビッて投げ売りをし、そこに売りの圧力がかかっているからだと思います。
シャイアーという製薬会社は患者数の少ない希少疾患の治療薬を主に製造している会社で、現在保有しているパイプライン(新薬候補)も豊富なため、武田薬品は買収することで大きなシナジー効果が見込めると考えているようです。
社長のクリストフ・ウェーバーも「1年で成果を出す」と非常に意気込んでいます。
しかし、株式投資をする立場としては「巨額の借り入れを使った買収」は迷惑千万以外の何者でもありません。なぜなら短期的に見ると株価が下がるからです。
他にも「増資のための株式の新規発行」などは株主に嫌煙されてしまいます。株数が増えると1株当たりの利益は希薄化してしまいますので当然です。
しかし、本当にいい買収であればその後株価は回復してさらに上昇する、というケースもあります。ソフトバンクのときはまさにそうで、ARMホールディングスを買収に合意したあとは大きく株価は下落しましたが、その後は戻しています。
ARMのビジネスは半導体設計と言われていますが、これは設計したものを製造するというわけではなく、半導体の設計データを半導体メーカーに提供するというもので、自社で半導体を製造するわけではないので利益率が非常に高いビジネスを展開しているのです。
スマホメーカーはほとんどがARMの設計したCPUを採用しているそうです。
そんな有望な企業を買収したわけですから、最初は「何してんだよ!」と投資家から罵られていたソフトバンク社長の孫さんも、今では「ARMの買収は成功だった、さすがは孫」と言われることもあるのですから何が正解なのかは後にならないと分かりません。
おいらはこれは日本の中小型株にも当てはまるところがあると思います。工場の新設などの設備投資のために、公募での増資や新株発行による資金調達を行うと、ほぼ100%株価は下がりますが、その増資や資金調達がきちんとした目的のあるものであれば意外とすぐに株価は戻る傾向が高いと思います。
そして、その増資が利益という結果となってあらわれると、あの時の下落は何だったのかという感じで今度は株価が上昇する場合が多いと思うのです。
武田薬品の場合も時価総額は巨大ですが、やっていることは同じなので今回の買収が利益という結果となってあらわれると株価は案外すぐに上昇するかもしれませんね。
ところで、世界トップの製薬企業はどの会社か皆さんご存知でしょうか?
米国株投資家の皆さんであれば、もちろんご存知だと思います。
それは...。
J&J!!
そう、連続増配株の王様であるJ&Jが世界NO1の売上高をほこる製薬会社なのです。武田とシャイアーを足してもその半分にも及ばない。
さすがは連続増配株の王ですね。現在のPERは18倍、配当利回りは2.9%で株価は123.59ドルと調整中です。
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