「ふーん、最近このメーカーのペットフードも取り扱い始めたんですね」
「はい、ブルーバッファローって言って自然食材を使用したペットフードを作っている会社の製品で結構売れてるんですよ」
ペットショップでキャットフードを手にとって見ていると、隣にいた店員が笑顔でそう説明してくれた。素晴らしい、やはり今どきワンちゃんや猫ちゃんにもオーガニックな食べ物を与えてやらないといけない。
「そうなんですか、最近のペットフードって人間でも食べれそうな感じがしますよね」
「食べたら意外と美味しいですよ!私、実は飼っているワンちゃんのやつちょっとだけ食べたことがあるんですけど人間でも全然食べれます」
「へー、僕も食べてみようかな」
「ぜひ一度!ペットは何を飼ってらっしゃるんですか?」
「はは、猫を一匹ね...」
ー脳内で飼っていますー
さすがにその真実を伝えることは出来なかった。
レッスン1.投資家は節約する生き物
最近、猫を飼いたい飼いたいと思っていたらその想いが臨界点に達してしまい、猫を飼ってもいないのにペットショップに行きペットフードを手に取り見てしまったりする。
もはや私の中ではすでに猫を飼育していることになってしまっているのだ。これは相当な末期症状だ。このままいくと妄想の中で猫に名前までつけてしまいそうだ。
なのでブログを更新することにした。これ以上猫のことを考えてはいけない。まだいない猫に対してこれ以上愛情を注いではいけない。それはとても危険なことだから。
ということで、今回はおいらの休日を特別に皆さんに公開する。投資家の休日というと皆さんどんなイメージをお持ちだろうか?
毎日カクテルパーティーに興じてバンバン金を使いまくり、いい女をはべらしてクルーザーに乗っている。そういうイメージを持っていらっしゃる方も多いだろう。しかし実態は違う。そういう人もいるのだろうが、それは一部の成金かその豪華な生活を見せることをビジネスにしている人たちだけだ。
おいらのイメージでは真の投資家というものは極めて質素な生活を送っている。かのウォーレンバフェットだって乗っている車はボロボロの中古車で、家だって大昔に買った中古の家にずーっと住んでいる。さらに食べるものは1個1ドルか2ドルのハンバーガーだ。実に徹底されている。
日本の有名投資家である桐谷さんだってそうだ。桐谷さんは総資産1億4千万円を超える富裕層だが、腹が減れば株主優待でもらった米を食らい、出かけるときもトレードマークの自転車に乗って出かけるエコな生活を送っていらっしゃる。
おいらが思うにだが、恐らく本物の投資家の方々は金を使うことよりも使わないことでストレスを発散出来るのだと思う。逆に言うと金を使ってしまうとそれがストレスになってしまうのだ。
おいらは全くパチもんの駆け出し投資家なので、そういった方々を見習わないといけないと思っている。腹が減ればコンビニで買い食いをし、憂さを晴らしたくなると居酒屋で酒を飲む。あげくの果てには鼻の下を伸ばして女に飯をおごる。
本当にどうしようもない人間だ。書いているだけで涙が出てきそうになる。
そこで、本日はおいらも投資家らしく徹底して節約した生活を送ろうと思う。その様子を、今日は皆さんにお届けしよう。
レッスン2.投資家たるもの水分補給も節約
昔にくらべればずいぶんとマシにはなったが、おいらは全く節約家とはいえない生活を送っている。仕事のストレスがかなりあるためか、週末になると街に繰り出して飲みに行ってしまう。それだけが楽しみで、この辛い世の中を生きているのかもしれないと思うときもある。
しかしそれではいけない。何杯も生ビールをおかわりし、そこから日本酒や焼酎に移行してしまうととてもお金がかかってしまう。なぜか高級料理を注文してお会計がとんでもない額になってしまったことだって何度もある。
それにと一緒にメシを食いに行くとどうしても奢ってしまう。俺はライオンだぞ、強いんだぞ、だから惚れろよ!そんな想いでメシを奢るのだが全くもって効果0!驚くほど女に振られている。そして残るのは高額なお会計のみ。
ウォーレンバフェットが聞いたら目を真っ赤にして怒り狂うようなお話だ。「ルールその1、意味もないのにに奢るな。ルールその2、ルールその1を守れ」、もしもバフェットがおじいちゃんだったら出来の悪い孫にそう忠告してくれるだろうか。しかし、バフェットはおいらのおじいちゃんではない。
とにかくおいらは決めた。本日は水分補給も含めて徹底的に節約をすると。
なのでとりあえずお散歩することにした。お散歩は本当にエコでいい。休日に歩いていると気持ちいいし、普段気がつかない様々な風景に気づくことが出来る。降り注ぐ太陽も頬をなでる風も、全部タダだ。
道に咲くお花さんたちに「こんにちわ」とあいさつしながら歩いていく。植物はおいらの友達だ。今日はまだ人間と一言も言葉を交わしていない。
しばらく歩いていくとショッピングセンターにつく。ここにはなんでも揃っている。食料品や本屋、食べ物屋までなんでもある。それだけに、色々な誘惑がおいらを刺激する。
少し喉が渇いたな...。
ふと見るとスターバックスがある。こんな気持ちのいい日はアイスコーヒーでも飲んでリラックスしようか。そんな想いがよぎる。
しかし、ふらふらとスターバックスの注文カウンターに近づいた時点ではっとする。アイスコーヒーのショートを飲んだら税込みで300円以上使ってしまうことになる。そしてスターバックスのPERは現在28.98倍で配当利回りは約2%だ。
「お客様、ご注文は?」
「いや、すいません、いいです」
スタバスマイルで聞いてくれた店員が不思議そうにおいらを見た。おいらは急いでその場を立ち去った。
「よっしゃ、これで300円節約や!」
心地よい達成感が体を包み込む。しかしここで気がついた。のどの渇きは癒されていないのだ。
これはどうにかしないといけない。人体の75%は水分で構成されているのだ。水分が失われるということは死に直結してしまう。
どうする?自販機で水でも買おうか?だめだ、今日は徹底して節約するんだ。頭をつかえ俺。そうだ、あそこに行こう!あそこに行けば喉のかわきが癒される。
おいらはショッピングセンターの中をダッシュしてそこへ向かった。周りの目など関係ない。喉が渇いているのだ。
そしてやっと辿り着いた。
ぴちゃぴちゃ、ぴちゃぴちゃ。
そう、おいらはショッピングセンター内に設置されている冷水器で水を飲むことにしたのだ。それにしても久しぶりに冷水器の水を飲む。学生時代に部活をやっていた時以来かもしれない。
冷水器の水は意外にうまい。外を歩いて体が火照っていたからだろうか。その冷たさが心地よくいくらでも飲める。思わずむさぼるように水を飲んでしまった。後ろで子供が待っていたが関係ない。俺は喉が渇いているんだ!!
「あの、何してるんですか」
ハッと顔を上げると、そこには部下の女性が立っていた。買い物に偶然来ていたのだろうか。むさぼるように水を飲んでいたおいらを驚いたような目で見ている。
「ああ、ちょっと喉が渇いてね」
おいらはとびきりのスマイルでそういうと、そそくさとその場から立ち去った。なぜか自分がとてつもない失敗を犯したような恥ずかしさに身を包まれていた。
レッスン3.投資家たるもの寺社仏閣を詣でよ
我々のご先祖様が生きていた昔、江戸時代の頃、神社やお寺にお詣りすることは庶民の娯楽の一つであった。
もちろん、そのころの日本人は今よりも神や仏を敬っていたからということもあるが、神社やお寺の近くには茶店や料理屋など様々な店が軒を連ねており、お詣りをした後にそういった店で食事をしたりするのが庶民のささやかな楽しみだったのだ。
今日はご先祖様たちのように神社にお詣りでもして質素な1日を楽しもう。そう思ったおいらはショッピングセンターを出ると近くの神社にお詣りをすることにした。
ここは小さな神社だが、管理している神主さんがキレイに掃除をしているからだろう、いつも境内は清められていて神聖な雰囲気が漂っている。苔の生えた狛犬も歴史を感じさせ、浮世に汚れつくしたおいらのような人間でも背筋を伸ばしてしまう雰囲気がある。
「早く億り人になれますように」
清い気持ちでそう祈る。投資家たるものこういった場所でも恥ずかしがらずに金のことを祈らなければならない。
ちなみに、スピリチュアルな世界ではおいらのこの祈り方は極めて間違っているとされる。神社でお詣りをするときは、「これからあることに対して先に感謝する」ほうがいいらしい。しかしこれはスピリチュアルなブログではないので割愛する。ご興味のある方は引き寄せの法則系の本を読んでいただけたらと思う。
清い気持ちで神に祈り終わると、急にまた喉が渇いてきた。ショッピングセンターから結構歩いてきたからだろう。
ちょうど神社の近くに昔ながらの喫茶店がある。今度こそあそこでアイスコーヒーを飲もうか、さっきは我慢したんだし。そう思って喫茶店に向かって歩いていこうとして思いなおす。
ーだめだ、今日は徹底して節約するんだー
そうだ、男たるもの一度決めたことはやり通さないといけない。だけど喉は渇いた。どうする?
答えはすぐに出た。
ぴちゃぴちゃ、ぴちゃぴちゃ。
神社に設置されている水道の蛇口をひねり、水を飲む。ひんやりとしていてうまい。さっきの冷水器の水には劣るが、神社の水も意外とひんやりとしていてうまいのだ。おいらはまたむさぼるように水を飲んだ。
「あの、喉かわいてるんですか...?」
はっと顔を上げると、またさっきショッピングセンターにいた部下の女性社員が立っていた。しまった!こいつ確か最近スピリチュアルにはまってて神社の御朱印を集めてたんだっけ。うかつだった。
「あ、ああ、朝から何も飲んでなくてね」
いや、さっきショッピングセンターで水飲んでただろ!心の中で思わず自分に突っ込んで、おいらは後ろを振り向かずにそそくさとその場を立ち去った。
まずい、このままでは明日絶対に会社で「水道マン」とかいうあだ名をつけられて笑いものにされてしまう。だけどどうしようも出来ない。なんで俺は1日に2回も水道で水を飲んでしまったんだ。
とてつもない後悔にさいなまれ、心臓がドクドクと音を立てて鳴りはじめた。だけど今日は1円もつかっていない。それだけがせめてもの慰めだ。
レッスン4.食事はもちろん自炊で
外食と自炊ではかかる費用が全然違ってくるのは皆さん共通の認識だろう。例えば大戸屋などで定食を食べたりすれば800円~900円はかかってしまう。マクドナルドや吉牛などで食えば栄養バランスが悪い。それを解決するのが自炊だ。
自炊のいいところは費用を抑えられるところと、食材を自分で選べるところだ。若い頃はいいかもしれないが年をとってくると食べたものの悪影響が健康診断などで数値となってあらわれてくる。
一度健康診断の前に我慢できなくてマックでハンバーガーを買って食べてから行ったら、見事に再検査することになったことがある。やはりジャンクフードは体によくはないらしいと悟った出来事だった。
しかしバフェットはなんと80歳を過ぎた今でも余裕でハンバーガーを食らい、くそ甘いチェリーコークを飲みまくっている。パフォーマンスではなく、恐らく本気で好きなんだろう。それと同時に最近健康を害していらっしゃるようではあるが、元々体がかなり強いのではないかと思う。
投資は精神を使う作業だが、精神力は強靭な肉体という前提があって初めて成り立つものだと思う。あの驚異的な投資パフォーマンスには常人よりも頑丈な体が支えている部分もあるのではないかと思う。
さて、おいらは今日チキンカレーを作ることにした。もちろん野菜は有機野菜を使う。有機野菜の玉ねぎ2個200円+有機野菜のニンジン1本100円+有機野菜のじゃがいも1個100円をチョイスする。そして鳥の胸肉300gで300円+カレーのルウ200円=合計で900円だ。どうだ、アンダー1,000円だ。これで5食分のカレーを作る。すると1食180円という計算になる。
アンビリーバブルだ。たったの180円で玉ねぎいっぱいの有機野菜カレーが食べられる。急にテンションが上がってきた。
おいらは食材を買うと家路を急いだ。すると、しまった!また喉が渇いてきた。ずいぶんと食品売り場を歩き回ったから仕方がない。どうする?自販機でジュースを買おうか?今日はずいぶんと我慢した。
ーだめだ、今日は節約を徹底するんだー
そうだ、今日はこれ以上お金を使ってはいけない。だけど喉の渇きはがまんが出来ない。どうする、考えろ俺。
考えた結果、おいらは食材の入ったビニール袋を持ってダッシュした。
はあーーー!!うめえーーーー!!
ちょうど近くに公園があって助かった。ここなら誰もこないだろう。おいらは公園の水道の蛇口をひねり、むさぼるようにして水を飲んだ。恐らく500mlは飲んだろうか。ふと顔を上げると遠くからこっちを見つめている人がいる。
な、なんでまたいるんだ...。
恐らく帰り道だったのだろう。本日2度水を飲んでいるところを見られている女性社員がまたそこにいたのだ。
しかし、今度は話かけてこず、ゆっくりとおいらから目をそらすとその場を立ち去っていった。
その帰り道、おいらは自販機で120円のミネラルウォーターを買った。
★本日の支出:1,020円。
※本当に水を飲んでいるところを会社の人に見られました。
株で夢をかなえよう
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