最近、テレビやネットを連日賑わしている、かんぽ生命の不正販売問題だが、その問題の影響で株価が大きく下落しているかんぽ生命に連れ安して、ゆうちょ銀行の株価も下落している。
ゆうちょ銀行は国民の貯金箱的存在の公的機関だったが、かんぽ生命と同様にすでに民間企業として利益追求をしなければならない立場に立たされている。
公的機関と民間企業の圧倒的な違いは、利益を追求するか、それとも公共の利益を優先するかという点にある。
民間企業の場合、株式を上場していれば投資家たちに配当金を支払ったり、自社株買いで還元している。
ゆうちょ銀行は、配当利回り4%の高配当株で、投資家たちに多額の配当金を支払っている。
しかし、近年は日本の低金利環境の影響もあり、ゆうちょ銀行はメインビジネスの資産運用において方針の変更を実施しているようだ。
ゆうちょ銀行の主な運用先は日本国債だが、前述したように日本の超金利環境のせいで利益を確保するのは難しくなってきている。
それでも、国債は安定的な運用先としてメインとなっているし、ゆうちょ銀行はその立場上国債を買わざるを得ないだろう。
いっぽうで、それだけだと安定的に利益を出し続けるのは困難になるため、ゆうちょ銀行は外国債券等にも投資を実施している。
ブルームバーグでゆうちょ銀行が外債市場で巨大なプレイヤーになっているという記事を見たが、2017年末と比べて2018年末で1.5%程度外債の保有率が上昇している。
ゆうちょ銀行が保有している外債の額は約62兆円と異次元の規模となっているようだが、もはや日本国債だけに頼っていては運用が困難になってきているということだろう。
これはゆうちょ銀行が保有する債券だけに限ったことではなく、最近はどこの運用機関も外国資産の保有比率を増やしているように思う。
地銀にしても外債でけっこうな赤字を計上している行があるが、日本国内の低金利環境は金融機関の首を絞め続けている。
ゆうちょ銀行も今や民間企業という立ち位置にあるので、ポートフォリオの中に不動産ファンドやプライベートエクイティファンド等に投資をする戦略的領域を儲けている。
ゆうちょ銀行は運用できる資産規模が異次元なので、今後も外債市場では注目を集めていくに違いない。
前述したように、日本の金利環境は超低金利環境となっており、金融機関にとっては極めて運用がしにくい状態となっている。
日本の金利は世界の金利と比べても相当低く、もはや異次元レベルと言ってもいいのだが、こうでもしないとお金が経済の中を循環しないというのが日本の現状だ。
2016年に日本がマイナス金利を導入して以降、投資用不動産等の不動産市場にお金が回り、一時期は大きな盛り上がりを見せていた。
しかし、するが銀行の問題がきっかけとなり、そういった不動産市場の盛り上がりは下火となっている。
そして、日本の景気はまだまだ実感レベルで好調とは言い難く、今秋に消費税が導入されるとその後は停滞する可能性もあるだろう。
しかも、最近はアメリカが金利を下げる方向に動いているので、日本もそれに追従して低金利環境を継続していく可能性は極めて高いだろう。
そう考えると、今後もゆうちょ銀行は外債などの新しい投資先への投資を継続していく必要があり、そのボリュームを増加させていく可能性もある。
国内の利回りが上昇すれば、ゆうちょ銀行も外債に手をだす必要はないんだろうが、現状の金利環境と日本の経済状況を考えると、おそらくそれは難しいだろうね。
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