米国株を枕に夢を見る

星野リゾートのJリートの大暴落とインバウンド需要の激減

 

Jリートはその利益のほとんどを配当金として投資家に還元する仕組みになっているため、非常に多くの高配当株投資家に好まれている投資対象だ。

 

そのため、多くの高配当株投資家たちがJリートに投資をしているのだが、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻になって以来、多くのJリートが大暴落してしまっている。

 

というのも、新型コロナウイルスの感染拡大によって人々が外に出なくなってしまい、その影響によって不動産の収益性や価格にも悪影響が出てきているからだ。

 

収益性の面で考えた場合、いま最も深刻なのがホテル系のJリートで、これらの銘柄はホテルがポートフォリオのほとんどを占めているため、インバウンド重要の消失をモロに食らってしまっているのだ。

 

新型コロナの影響が深刻化した３月の訪日外国人の数は前年度比で９割以上減少となっており、もはやほとんどのインバウンド需要が消失してしまっている。

 

さらには、今後新型コロナが終息したとしても、まだまだ外国人への入国制限は続くと思うので、インバウンド需要が将来的に回復するのかは不透明な状況だ。

 

そのため、超人気リゾートを運営する星野リゾートがスポンサーとなっている星野リゾート・リート投資法人の株価も暴落しているのだ。

 

ホテル系のリートの配当金は絶望的

 

Jリートが投資家に支払う配当金の原資は一体何かと言うと、保有する不動産が生み出す利益だ。

 

そのため、今後利益が激減するどころか、ほとんどなくなってしまうことが予測されるホテル系リートの場合は、配当金の支払いが絶望的になっていく可能性が高い。

 

というのも、前項で書いたように、今現在は外国人への入国制限が実施されている影響もあってインバウンド需要がほとんど失われてしまっているからだ。

 

ここ数年日本中でホテルが建築されまくり、様々な企業がホテルの運営に乗り出していたが、それらのホテルにほとんど人が泊まらないような状況が続いている。

 

そのため、ホテル系Jリートが保有する不動産のほとんどが収益を生み出すことが困難になっており、その結果、投資家が受け取る予定だった配当金も消し飛んでしまう可能性が非常に高いのだ。

 

最後の手段として、物件の売却で利益を確保するという方法もあるが、今は買い手がいないうえに、それは何度も使える手段ではないので、やはりホテル系Jリートの配当金は激減していく可能性が高いんだろう。

 

インバウンド需要頼みの経済構造にはすべきではない

 

ところで、今現在は新型コロナウイルスの感染拡大によって、ほとんどの国で経済が停滞しているわけだが、コロナ終息後に回復が早いのは内需が強い国だろう。

 

リーマンショック後に中国の経済が急速に回復モードに入ったのは、旺盛な内需があったからで、自国内の経済を回せばGDPが上がるという状態だったため、リーマンショックという１００年に一度の経済危機からアッサリと回復することが出来たのだ。

 

その一方で、日本の場合は政府が公的資金を注入しまくって、ようやく経済が表面上だけは回復したような状態だ。

 

しかも、実際にお金を使う若者世代は全く好景気など感じていないという状態だった。

 

それは、実際に消費者が使うためのお金としてではなく、緩和マネーが投機マネーになってしまっていたからだ。

 

インバウンド需要は実体経済も潤していたので、実際に消費に回るお金として経済を循環していたのだが、今回の新型コロナによる影響による教訓から、やはり実体経済をインバウンド頼みにするのは危険すぎる。

 

なので、きちんと緩和マネーが実体経済を循環するような仕組みを作ることが、今後は非常に重要な取り組みになってくるのではないだろうか。

 

緊急事態宣言を延長するのもいいが、このような経済対策にきちんと取り組まないと、最終的には日本経済自体が崩壊してしまいかねないね．．．。

 

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