代表的な高配当株であるJTは、寡占産業であるタバコ事業で日本国内を独占支配し、海外でも事業展開を拡大することで莫大な金を稼ぎ、そのお金を投資家に配当金として還元してきた高配当株だ。
そんなJTだが、日本人の高配当株を選好する投資家には非常に人気があり、定期的に支払われる配当金を目的としてJT株を保有する投資家は非常に多い。
というのも、JTの配当利回りは日本株の中でもランキング上位に位置しており、6%を超える配当利回りは現在の日本の金利環境を考慮すると非常に魅力的な水準だと言えるからだ。
そんなJT株だが、直近は株価を持ち直しつつあるが、最近は長期間株価が低迷し続けており、3000円台→2700円台→2400円台といった感じで、どんどん株価のレンジが下がり続けている。
その理由は、日本国内でのタバコ市場の収縮と、さらには海外でもタバコ産業が逆風を受けまくっていること、さらには為替の影響が事業全体に与える影響が大きくなっていることなどから、JTの将来性に危機感を感じている投資家が非常に多いからだ。
配当金は何もしなくても手に入れることが可能な所得で、汗水流して働いて必死で稼ぐ労働所得とは全く別の種類の所得で、ストレスなく手に入る最高純度を誇る不労所得だと言ってもいい。
そんな不労所得を気前よく投資家に支払ってくれるJTなのだが、最近は配当金支払いの源泉である配当性向が徐々に注目され始めている。
配当性向とは、利益のうちどれだけの割合を投資家に還元しているのかを差し現わす指標で、配当性向が高ければ高いほど、配当金の支払いに余裕がなくなってきていることになる。
JTの配当性向はこのブログでも何度も紹介させてもらっているが、最近は様々な場所でJTの配当性向の高さが指摘され始めている。
以前までは、JTは非常に優秀な高配当株で、国内事業は収縮傾向であっても、海外事業が拡大しておりさらには値上げで販売量減を補えるので、長期間で保有すれば間違いがない株とされていた。
しかし、最近のJTは株価の低迷が長期間続き、おまけに海外のタバコ株もボコボコに売られまくっている影響で、マイナス面に焦点が当てられることが多い。
そのため、70%を超える同社の配当性向が注目されてきているのだ。
今後、さらにJTの配当性向が上昇した場合、端的に言って減配の可能性があるため、この配当性向という指標には十分に注意を払っておいた方がいいだろう。
高配当株が減配を発表した場合、凄まじい暴落が発生するのはこれまでの株式市場を観察していれば誰にでもわかることだ。
日産自動車の例を見ればわかるとおり、以前までは優良企業で長期保有していれば間違いなく配当金をコツコツ受け取れると言われていた株であっても、減配を発表した瞬間に超絶暴落を起こすことが多い。
そのため、JTが仮に減配を発表した場合を想定すると、凄まじい暴落が起こる可能性は高いだろう。
JTの現在の配当性向はすでに危険水域に達する可能性があるレベルで、現状の決算では利益が減少していることがわかるので、この点は十分に注意をするべきだろう。
日本の高配当株はボコボコに売り込まれていたので、結構魅力的な水準の株も多いと思うのだが、配当利回りの高さだけで投資判断を下すのは危険だと思う。
なので、最低限配当性向や事業特性はチェックしてから投資判断を下した方が、減配による凄まじい暴落に巻き込まれる可能性を下げることが出来るだろう。
自分としては、長期的に黒字を出し続けており、さらには事業ポートフォリオが拡散されている大型株が安全だと思っているが、そういった株でもGEのように余裕で減配と暴落を演じる可能性がある。
なので、やはり高配当株に投資するにしても、分散投資をしてリスクを抑えることが重要だと言えるのではないだろうか。
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