「よっしゃ、ようやく年間配当金が500万円入ってくるようになった。これからは毎日お金を使いまくる。もう我慢の季節は終わったんや」
ここは、大阪・京橋駅。
改札を出ると、薄いオレンジ色のスープに浸されたうどんの香りが漂っている。
「雑居ビル」という言葉がピッタリと当てはまる、企業の会計帳簿上は完全に減価償却されたビルが立ち並んでいる。
ここはまさに、人間の欲望を満たすためだけにデザインされた街だと言っていい。
「さあ、配当金が入ったから出う会系のカフェに出撃や!!」
長年投資をしてきて、今年60歳になった玉乱珍蔵は、ようやく年間の生活費を上回る配当金を手にすることが出来る資産を作り上げた。
残りの人生はもう我慢してお金を貯めて投資をすることはやめ、思いっきりお金を使って充実した人生にしてやる。
珍蔵の股間は燃え上がっていた。
ずっと我慢していたんだ。彼女も嫁も作らずひたすら投資をして、お金を貯めてきたんだ。
珍蔵はこの年になってもまだ童貞だった。
「今日こそ...今日こそ...」
ー僕は童貞を捨てるー
珍蔵の目が、かっと見開かれた。
「は、はうああああああああああ!!」
数時間後、薄暗いラブ・ホテルの一室に珍蔵の悲鳴が響いていた。
「な、なぜええええええだああああああああああ!!」
「ねえ、続けるの?」
こ、こんな絶世の美女を相手にしているのに...なぜ...。
亜鉛とシトルリンのサプリを100錠摂取してきたのに...なぜ...。
出会う系のカフェから連れ出してきた女が、そのタンで珍蔵のご子息を何度刺激しても、ご子息はピクリとも反応しない。
「ねえええ、もう疲れたから、お金貰って帰っていい?」
「...」
珍蔵が3万円を女に支払うと、「ホスト行かないといけないから」と言って、女は猛ダッシュで去っていった。
部屋に残された珍蔵は、茫然としながら天井を見つめていた。
「な、なんでや...なんでなんや...」
体がプルプルと震え、目からは涙が溢れ出てきた。
そう、珍蔵は極めて悲惨な事実を認識してしまったのだ。
もう、珍蔵のご子息は役目を終えてしまっていたのだ。
「あ、穴、あにゃ、あにゃにゃがあったら入りたい」
だが、珍蔵のご子息はもはや穴に入るための気力を失ってしまっていたのだ。
「あ、穴、あにゃぱああああああああああああ!!」
次の日、珍蔵はJR御堂筋線痴漢対策部隊に身柄を拘束されてしまった。
さて、要するに珍蔵は資産形成に時間を費やしすぎて、その結果気が付いたら股間にぶら下がるご子息が息を引き取っていたというわけだが、その原因は「時間の価値」を珍蔵が認識していなかったことにある。
資産形成に力を注いでいると、他の全てのことを犠牲にしてしまうケースもある。
「よっし、今月はお給料の99%をインデックス投資です」
このような感じで、ムダ金を一切使わずに血眼で資産形成をする投資家も多いわけだが、その場合最終的に珍蔵のケースのような悲劇に見舞われるかもしれない。
というのもだ、お金というのは目的を達成するための単なるツールであり、人生の時間を楽しくするための道具に過ぎないからだ。
なのに、その道具を集めるために必死になってしまい、気が付くとチ〇コすら立たなくなっていたという悲劇が起こってしまうことすらある。
そうなってしまうと、もはや一体何のために資産形成していたのか訳が分からないくなってしまう。
誰も有料老人ホームに入所することを目的に人生を生きてなんかはいないだろう。
なので、資産形成をするのもよいのだが、自分がやりたいことにお金を使うことも重要だときちんと認識しておくことをお勧めする。
さあ、ここまで読んだらもういいね?
証券口座から10万円を下ろして、JR御堂筋線の京橋駅でちゃんと降りるんだよ?
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